GHQが潰そうとした伝統文化・歌舞伎

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GHQの占領政策をご紹介していますが、洗脳工作だけではありませんでした。日本的なもの、つまり伝統文化へもその矛先は向かったのです。歌舞伎も、そのひとつでした。


八月花形歌舞伎 「伊達の十役」 市川海老蔵/片岡愛之助/他

人気歌舞伎役者・市川海老蔵の「伊達の十役」です。歌舞伎の名門・成田屋は、江戸歌舞伎の荒事を芸風とする家。現在も続く伝統芸能ですが、受難の時代がありました。

GHQの占領下で歌舞伎が受難に

「忠義」を怖れるGHQ

そして昭和20年、日本はGHQの占領下におかれることとなりました。
この時、歌舞伎最大の危機が訪れることになります。
それは大部分の歌舞伎演目の上演禁止です。
GHQは歌舞伎のテーマである義、忠、孝、仁、慈などが天皇制復活に繋がると考えた故の処置でした。
この解釈にて二年間、忠臣蔵を始めとした有名演目を上演禁止したのです。
それにより200以上あった歌舞伎の専門劇団は廃業を余儀なくされました。
唯一映画という、アメリカの国策にそった収入源を持っていた興行会社の家柄の歌舞伎と、働く人からの支持を受けた前進座と、一部の地芝居が生き残り、その他の自由で平等な歌舞伎は段々と消滅の道を進むしかありませんでした。

http://www.atpa.jp/about/takeshiba.htm

東京裁判で日本を断罪したアメリカは、日本が天皇の名の下に、ニ度と立ち上がれないように仕向けました。「忠臣蔵」のような忠義ものは、米国人には大変な脅威だったのです。

多くの人に楽しまれ、様々な進化を遂げながら高い人気を誇ってきた、ニッポンの伝統芸能「歌舞伎」。
しかし、その歌舞伎の歴史が断絶の危機を迎えたことがありました。
そのきっかけは、第二次世界大戦でした。
敗戦後、日本を占領統治したGHQは、歌舞伎を危険な思想をあおるものだと解釈したのです。
忠臣蔵」に代表されるように、歌舞伎ではたびたび、忠誠心やあだ討ち・復讐といった、日本独特の封建主義的な考えが美しいものとして描かれています。
これに対し、GHQは、戦前の日本に戻ってしまうのではないか、と懸念し、歌舞伎の上演を一方的に禁止にしてしまったのです。

http://www.tv-asahi.co.jp/ss/121/japan/top.html

歌舞伎を助けた米国人

そんな占領下で、一人の米国人が歌舞伎を救ってくれました。フォービアン・パワーズという、GHQマッカーサーの副官だった人です。

仮名手本忠臣蔵」の美しさに魅せられたパワースは、歌舞伎再興のため色々尽力します。しかし、遅々として進まない復興に、彼はGHQを辞職してまでも、歌舞伎のために自らの人生を掛けました。

1947年には、バワーズの力添えにより、すべての歌舞伎演目が復活。歌舞伎という、日本が誇る伝統文化の恩人となったのです。

 

 
舞子
へぇ、そんな歴史があったんかいな。うち、知らんかったわ。海老蔵さんや愛之助さん、勘九郎さん、今人気ある役者さんやろ。GHQにいた人が守ってくれはったんやなぁ。感謝やわ。
 
ゆづる
そうだよね。GHQの中にも、心ある人はいたんだな。歌舞伎が天皇制を想起するだなんて、アメリカは余程日本を怖れてたんだろうね。舞子ちゃんはイケメン俳優が好きだから、歌舞伎が残って良かったよね(笑)